【現場の空気感:THE ATMOSPHERE】
響きをコントロールする:レザンホールの静寂
今回のプロジェクトの舞台は、優れた音響特性で知られる「長野県塩尻市レザンホール(中ホール)」です。 総席数392席という室内楽やリサイタルに最適なスケール感、そして空席時で約1.4秒という極めて音楽的で美しい残響特性を持つこのホールは、ピアノソロのレコーディングにおいて、ホールの持つ豊かな響きと静寂が「楽器の一部」として機能します。
遮音された完璧な空間の中で、一音一音が空間に溶け込み、消えゆくまでの贅沢な時間をパッケージする。 そんな、出張レコーディングならではの「鮮度の高い音」を追求しました。
誠実な音作り:ミリ単位のセッティング
収録前には専門の調律師を招き、ホールの空気感に馴染ませながら、使用楽器である STEINWAY & SONS の最高峰モデル「D-274」 が持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出しました。 マイクの位置は、ハンマーが弦を叩くアタック感と、ホール全体を包み込むアンビエントな響きのバランスを考慮し、ミリ単位で調整。 アーティストが奏でる繊細なタッチを余すことなく捉えるため、一切の妥協を排した環境を構築しました。
GEAR FOCUS:音へのこだわり
■ Main Microphones
- NEUMANN (ノイマン) / U87×2本
- SCHOEPS (ショップス) / CMC65×4本
- DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A×4本
- AUDIX (オーディックス) / SCX25A×2本…etc.
■ System
- STEINBERG ( スタインバーグ ) / AXR4T(Audio Interface)
- STEINBERG ( スタインバーグ ) / Nuendo(DAW)
- UNIVERSAL AUDIOT(ユニバーサルオーディオ) / 4-710D
- AUDIENT / asp800…etc.
SCENES:共鳴する音と空気















REVIEW:アーティストと共に「理想のサウンド」を共有
今回のセッションは、地方銀行様のプロモーションで象徴的に使用される**「サウンドロゴ」**に魂を吹き込む、非常に責任ある、そして純度の高いレコーディングとなりました。
現場には、RED IGUANA STUDIOが誇る厳選された機材を持ち込み、ハイエンド・コンデンサーマイクを多層的に配置することで解像度の高い音像を実現しました。広いステージにポツンと置かれたピアノ。しかし、演奏が始まった瞬間にその空間は濃密な音楽で満たされます。鍵盤から伝わる指先のニュアンス、ペダリングの微細な音まで。スタインウェイのロゴが輝くその瞬間を、最高の音質で記録しました。
特に今回は、アナログとデジタルが融合する最適なシステム構成によって、銀行という信頼を象徴するに相応しい、凛とした臨場感を実現できました。
現場での波形編集やモニタリングもスタジオクオリティで実施し、クライアントが求める「企業の顔となる響き」がホールの豊かな残響と共鳴し、一つの作品として結実した手応えを感じています。
レザンホールのスタッフの皆様、調律師の方、そして素晴らしい演奏を聴かせてくださったアーティストに心から感謝いたします。誠実で、そしてどこまでも美しいピアノの音色が、サウンドロゴを通じて多くの人の心に届くことを願っています。
