| SESSION OVERVIEW | DETAILS |
|---|---|
| Location / 会場 | 駒ケ根パノラマ愛の家(光林国際ミッションセンター)|長野県駒ヶ根市 |
| Target / 収録対象 | ヴォーカル・ヴァイオリン・ピアノ |
【現場の空気感:THE ATMOSPHERE】
中央アルプスを望む、静謐な空気に包まれた「駒ケ根パノラマ愛の家」。 光林国際ミッションセンター内にあるこの空間は、高い天井とふんだんに使われた木材がもたらす、極めてナチュラルで温かみのある残響が特徴です。大規模なホールのような鋭い反射ではなく、演奏者を優しく包み込むような、祈りにも似た響きの密度。それは、今回のようなヴォーカルを含むアコースティックなトリオ編成において、最も贅沢な「天然のリバーブ」となります。
今回、この会場を収録場所に選定した最大の理由は、レコーディング直後に控えたミュージックビデオ(MV)の撮影にあります。音響的な素晴らしさはもちろんのこと、木の温もりが溢れる美しい意匠と、窓から差し込む柔らかな自然光は、映像作品としての完成度を約束してくれるものでした。「音」と「映像」を高い次元で融合させるプロジェクトにおいて、ここはまさに理想的な舞台と言えます。
朝の光が差し込む中、空間が持つ固有の周波数特性を確認しながら、木の振動を最大限に活かせるポジションへ。ヴォーカルの細かな息遣いや、ヴァイオリンの倍音、ピアノの低域が濁ることなく混ざり合う最適なバランスを、長年の経験と直感で見極めます。
静寂の中に、楽器が呼吸を始める瞬間。その場所にある空気そのものを閉じ込めるための、ミリ単位のセッティング。音の立ち上がりから消え際までを完璧に制御し、アーティストの感情をダイレクトに捉える準備が整いました。
GEAR FOCUS:音へのこだわり
■ Main Microphones
- NEUMANN (ノイマン) / U87×4本
- NEUMANN (ノイマン) / U87ai×2本
- DPA ( ディーピーエー ) / ST4006A×4本
- DPA ( ディーピーエー ) / 4091×2
- SCHOEPS (ショップス) / CMC65×4本…etc.
■ System
- ANTELOPE AUDIO(Audio Interface)
- ANTELOPE AUDIO / OCX
- AVID / PROTOOLS(DAW)
- AURORA AUDIO / GTQ2
- UNIVERSAL AUDIO / 2-610
- GENELEC / 1031A…etc.
SCENES:共鳴する音と空気










REVIEW:アーティストと共に「理想のサウンド」を共有
今回のセッションは、ヴォーカル、ヴァイオリン、ピアノという、三つの個性が絡み合う非常に緻密なトリオ・アンサンブルでした。互いの音を聴き、空間の響きを味方につけながら、一音一音に命を吹き込んでいくプロセス。私たちは、その場所でしか生まれ得ない「奇跡のような一瞬」を、厳選された機材と技術で確実にありのままに封じ込めるように記録しました。
木の温もりに満ちた響きの中で、歌声が伸びやかに広がり、弦と鍵盤がそれに寄り添う. その三位一体のサウンドを、最もピュアな状態でパッケージできたことは、この仕事を続けてきて本当に良かったと感じる瞬間です。
また、収録後にそのまま撮影したミュージックビデオも、この空間の光と響き、および音楽が見事にシンクロした、息をのむほどに美しい映像作品へと仕上がりました。音と映像、その両面でアーティストの「理想」を高い純度で形にできたことは、エンジニアとして、そしてクリエイターとして何よりの喜びです。当方が紡いできた歴史の重みを感じさせる、誠実で温度感のある素晴らしいプロジェクトとなりました。
